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「感触が明らかに違う。効果が実感できるからほしくなる」

 東京・渋谷の東急百貨店。化粧品売り場のカウンターに座る女性が満足げな表情で試しているのは、価格が12万6000円の“超”高級クリームだ。

 資生堂が昨年9月に発売したが、「売れ行きは計画の1.7倍」と同社の担当者も驚く。

 化粧品は景気の影響を受けにくいと言われ、未曾有の消費不振のなかでも百貨店で取り扱う高価格帯商品を中心に、年末商戦も堅調に推移したもようだ。

 ≪販売員教育も徹底≫

 そうしたなかでも目立ってきたのが、化粧品の大半を占めるスキンケア商品の高級品シフトという需要の構造的な変化だ。

 化粧品の国内市場規模は約2兆円。近年、市場全体としては横ばいで推移しているが、5001円以上の高価格帯商品の2008年上期販売高は前年同期比5%増を確保。さらにスキンケア商品に限ると、2万円以上の超高価格帯品は、3年前と比べて約24%も伸びたとされる(いずれも業界推計)。こうした高級品志向が、化粧品各社の売上高減少を食い止めている形だ。

 「景気低迷下でも、真に求められる価値を打ち出すことができれば、美意識の高い消費者は『美への投資』をいとわない」。資生堂の前田新造社長は、そう言い切る。

 同社がこうした層をターゲットに、昨年9月に発売したのが「クレ・ド・ポー ボーテ シネルジックライン」。使用実感に明確な差がある超高級クリームをはじめとした全5種類のスキンケア商品をそろえると、20万円弱かかるが、シリーズ全体の販売実績が計画の1.4倍と予想を大きく上回る好調な滑りだしをみせている。

 販売が好調なのは超高級に位置付けられるトップブランド品だけにとどまらない。昨年10月、高価格帯の中核ブランドとして新たに投入した「リバイタル グラナス」の場合も、売れ筋はシリーズのうちで、もっとも高い1万5750円の美容液。スキンケア分野では、肌への効果を最優先し、価格は二の次であることをうかがわせる。

 実は資生堂は、07年度から美容部員が百貨店などで顧客に指導しながら販売する化粧品(接客ブランド)の強化を重点課題に掲げている。これに沿って高級ゾーンに属するブランドのラインアップ拡充に力を入れてきた。それだけ超高級品を含めた高価格帯商品の潜在需要は大きいとの分析だ。

 ≪立役者アラフォー≫

 これらの製品のメーンターゲットは、美や健康のためには投資を惜しまない「アラフォー」と呼ばれる40歳前後の層をはじめ、可処分所得の高い独身ワーキングウーマン、裕福な主婦、ファッション感度が高いシニア層などだ。

 そのなかでもアラフォーは、行動的で倹約よりも本物志向が強いとされ、ファッション衣料など化粧品以外の業界も消費の牽引(けんいん)役として狙いを定める。アラフォーが高級化粧品市場拡大の立役者であることは間違いないようだ。

 その背景としてアンチエイジング(シミやシワ、たるみ防止といった抗加齢)技術の進化をあげることができる。これらの層がスキンケア化粧品に求める一つがアンチエイジング。この効果をうたった商品も登場したことで、高級化粧品の評価が改めて高まったようだ。

 資生堂は「効果を実感し、納得の上で購入していただければ、継続的な購入にもつながる」(広報部)と、品質重視の高級商品戦略に自信を示す。

                   ◇

 ■群雄割拠 海外メーカーも参入

 高級化粧品を強化するのは、資生堂だけでない。コーセーは、百貨店を中心に展開する最高級ブランド「コスメデコルテAQ」を昨年8月に一部リニューアルした。それが奏功し、昨年4~11月販売実績は前年同期比2けた増を達成した。

 花王が百貨店専用として展開するブランド「エスト」から9月に登場した「エターナルフロー」、さらにはポーラの「B.A」といった最高級スキンケアシリーズも、独自開発したマッサージ美容法を指導・提案することで愛用者を増やしている。

 カネボウ化粧品の百貨店ブランド「インプレス」は、昨年4~9月販売が前年の約40%増。昨年10月に発売した15グラム入りで1万500円の目元用美容液は、やはり計画比2けた増で推移。訪販主体のノエビアは、最高級スキンケア「スペチアーレ」のクリーム(10万5000円)を富裕層に知ってもらおうと、昨年12月、東京・表参道にサロンを開店した。

 こうした現象は海外メーカーにも刺激を与えている。スペインの「ナチュラ ビセ」もその一つ。現地ではプロ仕様のエステ用化粧品として知られ、王室やセレブに人気の高級ブランドだが、撤退した日本市場に昨年9月から再参入した。目玉として日本市場に初登場した美容液は、価格が13万1250円ながら発売2カ月で計画の3倍ペースの売れ行き。少子高齢化で縮小に向かう化粧品市場にあって、各社は「(特定の層に向けた)高価格帯商品は成長の余地がある」(小林一俊コーセー社長)と口をそろえる。

 女性にとって高級化粧品は「自己への投資」といった特別な意味合いでとらえられる。こうした女性心理も加味した商品開発競争がいっそう激しくなりそうだ。(小坂真里栄)
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